App StoreでEU向けにアプリを配信し、DSA上の「トレーダー」に該当する場合、住所・電話番号・メールアドレスが商品ページで公開されます。個人開発者も対象です。ただし、個人の公開用住所には私書箱も認められており、必ず自宅住所を表示する仕組みではありません。AppleのDSA要件
個人か法人かだけでは決まらない
トレーダーは、事業・商売・職業などに関係して活動する人や組織を指します。Appleは有料販売、アプリ内課金、広告収入、宣伝、職業としての開発などを判断材料に挙げています。無料ダウンロードでも、広告や事業の集客を目的とするなら「無料だから非トレーダー」とは判断できません。収益化の意図がない趣味の開発は、非トレーダーに当たる可能性があります。
申告は開発者自身が行います。Appleが個別の法的判断を代行するわけではないため、判断が難しい事業形態は法律の専門家へ相談する範囲です。自宅住所を隠す目的で、実態と違う区分を選ぶ方法は避けましょう。
EUで配信しない場合も、App Store Connectでトレーダーの区分の申告は必要です。このEU向け要件と、各地域の法律に基づく連絡先表示は分けて考えます。Appleは、地域の法律に応じて事業者の住所などを表示する場合があると説明しています。開発者情報の取り扱い
公開用住所と本人確認の住所を混同しない
個人のDSA公開情報には、住所または私書箱、電話番号、メールアドレスを登録します。代替住所では、その住所との関係を示す領収書や請求書なども必要です。組織はD-U-N-S番号に紐づく住所が表示されます。
一方、Apple Developer Programへの登録時の本人確認では私書箱は認められません。DSAの公開情報を変えても、メンバーシップ情報は変わりません。「Appleは私書箱不可」という登録時の説明だけで公開用住所まで判断したり、公開用の私書箱を本人確認欄へそのまま転記したりしないようにします。Appleの本人確認要件
バーチャルオフィスは証明書類まで確かめて選ぶ
自宅以外の事業用連絡先が必要なら、私書箱やバーチャルオフィスの利用を検討できます。ただしAppleの資料は、特定のバーチャルオフィスや全サービスの受理を保証していません。提供会社の「アプリ開発に利用可能」という説明だけで審査通過まで確定したと考えないことです。
契約前には、次の内容を提供会社に照会すると、住所だけ借りて書類が足りないという行き違いを減らせます。
- App Storeの公開用連絡先として住所を掲載してよいか
- 契約者名と利用住所の両方が載る契約書・請求書などを発行できるか
- 郵便の受け取り・転送の対象と頻度、契約終了時の扱いはどうなるか
電話番号も公開されるため、住所だけ変更して終わりにはできません。事業用のメールや電話を使うなら、認証に使えて、公開後も連絡を受け取れるものを用意します。料金は住所利用料と郵便転送料を合わせて比較すると、継続費用を把握しやすくなります。
公開前に確認する順番
最初に配信地域と収益化の方法を整理し、トレーダー区分を判断します。EUへの配信を見送るなら、利用者がその地域で入手できなくなる影響も踏まえて決めます。住所だけを理由に配信地域を変える前に、代替住所を用意できるか比較する順番がよいでしょう。
登録はApp Store Connectの「ビジネス」内にある契約・コンプライアンスのDSA欄から進めます。住所の書類とメール・電話の認証を済ませ、アプリ単位の設定も確認します。公開後はEU向けの商品ページで、意図した連絡先になっているかを確かめます。
なお、メンバーシップの氏名・住所の変更は別の申請です。契約に関係する情報のため、Appleの確認と承認が必要になります。アカウント情報の変更
住所サービスを比べるときは、バーチャルオフィスの比較ページで、掲載用途と証明書類、郵便対応を基準に候補を絞れます。Google Playでも公開する場合は、有料アプリの住所公開ルールも確認してください。Appleで使える住所が、そのままGoogleでも使えるとは限りません。